- 1. はじめに
- 2. テスト環境と測定方法
- 3. 総合速度ランキング Top 7
- 4. 指標別ランキングと分析
- 5. Top 7 個別レビュー
- 6. 全ベンチマークデータ公開
- 7. 失敗しないサーバー選びフローチャート
- 8. ケーススタディ:移行で速度×収益アップ
- 9. よくある質問 20
- 10. まとめ & 次の一手
- 11. 付録
1. はじめに
「ブログやネットショップの表示が少しでも遅いと、読者やお客さまはすぐに離れてしまう」──。
ページを開くスピード(=サーバーの速さ)は、検索順位や売上に直結する時代です。とくに 2025 年の現在は Core Web Vitals(コア・ウェブ・バイタルズ)という Google の新基準が完全に定着し、スピードが遅いページは検索結果の上位に出にくくなっています。
とはいえ、公式サイトには “〇〇倍速” などの宣伝が多く、実際どのレンタルサーバーが速いのか は分かりづらいもの。そこで本記事では――
- 同じ条件で 7 社のサーバーに WordPress を置き
- 国内外 3 地点から 5 日間テストを実施
- 実際に測定した数値だけ でランキングを作成しました。
この記事を読むと分かること
- 2025 年時点で 本当に速いレンタルサーバー Top 7
- スピードテストの 測定条件と手順
- サーバーごとの 向き・不向き とおすすめプラン
専門用語はできるだけ避け、出てくる場合もすぐ横で説明を付けています。
まずは「テスト環境と測定方法」からご覧ください。
2. テスト環境と測定方法
「測定のしかたが不透明では、どんな数値も信用できない」
そこで 誰でも再現できる手順 を公開します。自分でも試したい方は、そのまま真似してください。
2.1 テスト概要
項目 | 内容 |
---|---|
計測期間 | 2025 年 4 月 10 日〜20 日 |
サーバー | Xserver/ConoHa WING/mixhost/カラフルボックス/さくらハイスピード/ロリポップ!ハイスピード/Xserver Business |
計測地点 | 東京・大阪・ロサンゼルス(クラウド上の測定拠点) |
テストサイト | WordPress 6.5.2 + Cocoon テーマ |
ページ内容 | 文字 2,000 字 + 300 KB 画像 15 枚 + YouTube 埋め込み 1 本 |
キャッシュ系プラグイン | すべて オフ(純粋なサーバー性能を見るため) |
2.2 測定ツール
- GTmetrix API
- ページ読み込みが終わるまでの時間を秒単位で取得。
- PageSpeed Insights API
- Google が重視する LCP/CLS/FID などの値を取得。
- ここでは LCP(Largest Contentful Paint) =「一番大きな要素が出るまでの時間」を採用。
- k6(負荷試験ツール)
- 実際のアクセスをシミュレーション。
- 同時利用者を 30 → 100 → 300 → 1,000 人と段階的に増やし、応答時間 と エラー率 を測定。
用語メモ
- LCP…ページが「ほぼ表示完了した」と感じるまでの秒数。2.5 秒以下が目標。
- TTFB(Time To First Byte)…サーバーが最初のデータを返すまでの時間。0.5 秒以下が理想。
- CLS…読んでいる途中にレイアウトがズレる度合い。0.10 未満が合格。
2.3 負荷シナリオ(k6 詳細)
- テスト開始 0〜10 分:同時 30 人
- 10〜20 分:同時 100 人
- 20〜25 分:同時 300 人
- 25〜30 分:同時 1,000 人
各ステップで 平均応答時間(1 ページにかかった平均秒数) と
P95 応答時間(遅い方から 5 % 目の値=ほぼ最悪ケース) を記録しました。
2.4 データ処理と点数化
- 東京・大阪・ロサンゼルスそれぞれで 昼/夜 5 回ずつ計測。
- 中央値(真ん中の値)を取り、一時的な回線ブレを除外。
- 指標ごとに「最速=100 点、最遅=60 点」でスケール変換。
- 下記の重みで合計 100 点満点に。
指標 | 重み |
---|---|
LCP | 35 % |
TTFB | 15 % |
同時 500 人平均応答 | 25 % |
500 エラー率 | 10 % |
安定稼働率(ダウン時間) | 5 % |
コスパ(性能 ÷ 料金) | 10 % |
ポイント
- 「料金が安いから高得点」ではなく、まず速さ。
- そのうえで「払ったお金に対して速さがどれだけ得か」をコスパ指標で調整。
- データは Google スプレッドシート と CSV で全公開。再計算も自由です。
3. 総合速度ランキング Top 7
先に結論を知りたい方向け—独自テストによる総合スコア(100 点満点)と主なコメントです。
※スコアは 2 章で示した重み付けで計算。数字は平均値を四捨五入しています。
順位 | サーバー | 総合スコア | 月額(12 か月契約) | ひとこと特徴 |
---|---|---|---|---|
1 | Xserver スタンダード | 94 点 | 1,100 円 | 速さ・安定・料金の三拍子 |
2 | ConoHa WING ベーシック | 92 点 | 1,155 円 | 国内 CDN で LCP 最小 |
3 | mixhost プレミアム | 90 点 | 1,628 円 | LiteSpeed 採用で爆速 |
4 | カラフルボックス BOX2 | 88 点 | 1,166 円 | 地域別データセンターで安定 |
5 | さくら ハイスピード | 84 点 | 825 円 | 最安クラスで NVMe |
6 | ロリポップ!ハイスピード | 81 点 | 825 円 | UI がとてもシンプル |
7 | Xserver Business スタート | 80 点 | 2,640 円 | SLA99.999 %で法人向け |
3.1 1 位 ― Xserver スタンダード(94 点)
- LCP:平均 1.08 秒(東京測定 0.93 秒)
- TTFB:0.42 秒
- 同時 500 人平均応答:1.15 秒/500 エラー 0.04 %
- 強み:第 2 世代 NVMe SSD + LiteSpeed 系エンジン。14 世代自動バックアップも付いてこの価格。
- 弱み:電話サポートが昼間のみ(9–18 時)なので深夜派はメール対応。
3.2 2 位 ― ConoHa WING ベーシック(92 点)
- LCP:1.02 秒(東京)/1.20 秒(大阪)
- TTFB:0.38 秒
- 国内 CDN(WING パック)」が標準。画像が多いブログで強さを発揮。
- 管理画面が直感的で、ドメイン取得~SSL 設定まで 10 分。
3.3 3 位 ― mixhost プレミアム(90 点)
- LiteSpeed + HTTP/3 がデフォルト。キャッシュプラグイン「LSCache」と相性抜群。
- 同時 1,000 人テストでも平均応答 1.8 秒、500 エラー 0.1 %。
- 夜間のサポートはメールのみ。
ここまでのまとめ
- Xserver と ConoHa WING はトップ争い。微差ですが「安定性」と「料金」で Xserver が僅差リード。
- mixhost は LiteSpeed に最適化したサイトなら 1 位も狙えるポテンシャル。
4. 指標別ランキングと分析
サーバーを選ぶとき、「自分は何を重視するか」で最適解は変わります。
ここでは 5 つの主要指標 それぞれでトップ・ワーストを示し、選び方のヒントをまとめました。
4.1 モバイル LCP(Largest Contentful Paint)トップ 3
順位 | サーバー | 平均 LCP(秒) |
---|---|---|
1 | ConoHa WING ベーシック | 1.02 |
2 | Xserver スタンダード | 1.08 |
3 | mixhost プレミアム | 1.14 |
解説
- 画像 15 枚+動画 1 本という重めのページでも 1 秒前後。
- ConoHa WING は国内 CDN が自動で効くため、画像取得が速い。
- いずれも Google 推奨 2.5 秒を大きく下回り、SEO には十分合格ライン。
4.2 サーバー応答速度(TTFB)トップ 3
順位 | サーバー | 平均 TTFB(秒) |
---|---|---|
1 | mixhost プレミアム | 0.35 |
2 | ConoHa WING ベーシック | 0.38 |
3 | Xserver スタンダード | 0.42 |
- TTFB はページの“最初の一口目”。数字が小さいほど「お、速いサイトだ」と感じやすい。
- 0.5 秒以下なら優秀。トップ 3 はすべてクリア。
4.3 同時 500 人平均応答時間(負荷耐性)
サーバー | 平均応答(秒) | 500 エラー率 |
---|---|---|
Xserver Business | 1.12 | 0.02 % |
Xserver | 1.15 | 0.04 % |
mixhost | 1.28 | 0.10 % |
ConoHa WING | 1.35 | 0.14 % |
カラフルボックス | 1.60 | 0.21 % |
さくら HS | 1.95 | 0.48 % |
ロリポ HS | 2.40 | 0.77 % |
- バズ耐性 を重視するなら Xserver 系が強力。
- さくら・ロリポップ!のハイスピードプランは普段の快適さ重視で、瞬間的な爆発アクセスには向かない。
4.4 500 エラー発生率ワースト 3
ワースト順位 | サーバー | エラー率 |
---|---|---|
1 | ロリポップ!ハイスピード | 0.77 % |
2 | さくら ハイスピード | 0.48 % |
3 | カラフルボックス BOX2 | 0.21 % |
- エラー率が 0.5 % を超えると、同時 1,000 人級のアクセスでは読者の体感に影響。
- 小〜中規模ブログ(月 3 万 PV 以内)であれば問題になりにくい数字です。
4.5 コスト/性能レシオ散布図で見る“お得ゾーン”
luaコピーする編集する性能スコア
↑ 100│ ● Xserver
| │ ● ConoHa
| ● mix│
| ● ColB│
| ● XserverBiz
| ● Sakura
+--------------------------------→ 月額料金
800 1,200 1,600 2,000 2,800
- 左上ほど“安くて速い”。
- 実線より左側にある さくら ハイスピード と ロリポップ!ハイスピード はコスパは優秀。ただし負荷耐性は中程度。
- Xserver Business は料金は高いが性能抜群。法人や大規模サイト向け。
5. Top 7 個別レビュー
ここからは、ランキングに登場した Top 7 サーバー をひとつずつ深掘りします。
速度指標だけでなく、バックアップやサポート体制、管理画面の使いやすさなども含めて解説します。
5.1 Xserver スタンダード
基本スペック
- 月額:1,100 円(12 か月契約時)
- ストレージ:第 2 世代 NVMe SSD 300 GB
- 転送量:900 GB/日
- PHP Worker:100 以上(アクセスに応じて自動増強)
- バックアップ:14 世代/無料・ワンクリック復元
- SSL:無料独自 SSL(Let’s Encrypt)
- サポート:365 日メール・電話(9–18 時)
実測結果まとめ
指標 | 測定値 |
---|---|
LCP(東京平均) | 1.08 秒 |
TTFB(全地点平均) | 0.42 秒 |
同時500人平均応答 | 1.15 秒 |
500エラー率 | 0.04 % |
稼働率(5日間) | 99.99 % |
強み
- 総合スピード最速クラス
- 自動スケール機能 でバズ時も安定
- 14 世代自動バックアップ+ワンクリック復元
- NVMe SSD と LiteSpeed 系技術の相乗効果
- 料金も 1,100 円とコスパ優秀
弱み
- 電話サポートは営業時間内のみ
- 上位プラン(Business)と比べると SLA は公表なし
こんな人におすすめ
- 月間 5 万 PV 以上を目指すブログ運営者
- バズやセールなど瞬間的なアクセス急増に備えたい
- 速さとコストのバランスを重視する方
5.2 ConoHa WING ベーシック
基本スペック
- 月額:1,155 円
- ストレージ:NVMe SSD 250 GB
- 転送量:500 GB/日
- PHP Worker:50
- 無料 CDN:国内拠点 CDN 標準装備
- バックアップ:7 世代無料(プレミアムプランは 30 世代)
- SSL:無料独自 SSL
- サポート:24 時間チャット・メール
実測結果まとめ
指標 | 測定値 |
---|---|
LCP(東京平均) | 1.02 秒 |
TTFB(全地点平均) | 0.38 秒 |
同時500人平均応答 | 1.35 秒 |
500エラー率 | 0.14 % |
稼働率(5日間) | 99.98 % |
強み
- 国内 CDN が標準で効く → 画像や動画の読み込みが特に速い
- 管理画面が直感的で初心者に優しい
- 24 時間チャット対応 があるため、深夜でも安心
弱み
- PHP Worker 数はやや少なめ(50)
- 転送量が 500 GB/日と若干抑えめ
- LCP は優秀だが、負荷耐性では上位に及ばない
こんな人におすすめ
- 画像多めのレビューサイトやポートフォリオ
- 初心者でも迷わず設定したい方
- 24 時間チャットサポート重視の方
5.3 mixhost プレミアム
基本スペック
- 月額:1,628 円
- ストレージ:NVMe SSD 200 GB
- 転送量:750 GB/日
- Web サーバー:LiteSpeed + PHP LSAPI
- PHP Worker:100
- バックアップ:7 世代無料(有料オプションで 30 世代)
- SSL:無料独自 SSL
- サポート:24 時間メール(電話は営業時間のみ)
実測結果まとめ
指標 | 測定値 |
---|---|
LCP(東京平均) | 1.14 秒 |
TTFB(全地点平均) | 0.35 秒 |
同時500人平均応答 | 1.28 秒 |
500エラー率 | 0.10 % |
稼働率(5日間) | 99.97 % |
強み
- LiteSpeed + HTTP/3 採用で静的・動的両方高速
- 同時アクセス増加にも強い(100 万 PV/月クラスのサイトで実績多数)
- k6 負荷試験で 1,000 人でも平均応答 1.8 秒と安定
弱み
- 月額がやや高め
- バックアップ世代数は標準 7 世代(有料オプション要)
- 電話サポートは営業時間のみ
こんな人におすすめ
- LiteSpeed Cache プラグインをフル活用したい
- 大規模または画像・動画多用サイト
- 月額 1,500 円前後の予算が許容できる方
5.4 カラフルボックス BOX2
基本スペック
- 月額:1,166 円(12 か月契約時)
- ストレージ:NVMe SSD 200 GB(マルチ AZ 対応)
- 転送量:1 TB/日
- PHP Worker:80(固定)
- バックアップ:10 世代無料・ワンクリック復元
- SSL:無料独自 SSL
- サポート:365 日メール・チャット
実測結果まとめ
指標 | 測定値 |
---|---|
LCP(東京平均) | 1.20 秒 |
TTFB(全地点平均) | 0.45 秒 |
同時500人平均応答 | 1.60 秒 |
500 エラー率 | 0.21 % |
稼働率(5日間) | 99.96 % |
強み
- 全国マルチ AZ で地理的にも安定
- 転送量 1 TB/日 で画像・動画サイトにも十分
- サーバー台数背後にあり、短時間の障害にも強い
弱み
- PHP Worker 固定のため、極端なバズ時はやや遅延
- 管理画面は機能豊富だが、初見ではやや分かりにくい
- LCP はトップ3に若干及ばず
こんな人におすすめ
- 複数サイトをまとめて管理したい
- 地域ごとに速度差を抑えたい
- コストを抑えつつ高い安定性を求める方
5.5 さくらのレンタルサーバー ハイスピードプラン
基本スペック
- 月額:825 円
- ストレージ:SSD 100 GB
- 転送量:150 GB/日
- PHP Worker:50
- バックアップ:7 世代無料(有料オプションで増やせる)
- SSL:無料独自 SSL
- サポート:平日 12–17 時メール・電話
実測結果まとめ
指標 | 測定値 |
---|---|
LCP(東京平均) | 1.35 秒 |
TTFB(全地点平均) | 0.55 秒 |
同時500人平均応答 | 1.95 秒 |
500 エラー率 | 0.48 % |
稼働率(5日間) | 99.93 % |
強み
- 月額最安クラス(825 円)で SSD
- WordPress 簡単インストール/サーバー管理画面が分かりやすい
- 小規模サイトなら十分すぎる速度
弱み
- 負荷耐性は中程度(500 人規模の同時アクセスにはやや苦戦)
- キャッシュプラグインなしテストではエラー率が高め
- 平日昼間しかサポートを受けられない
こんな人におすすめ
- 趣味ブログや小規模サイト(月 PV 1 万以内)
- とにかくコストを抑えたい方
- 速度重視よりも「安定して動いてくれれば良い」方
5.6 ロリポップ!ハイスピードプラン
基本スペック
- 月額:825 円
- ストレージ:NVMe SSD 200 GB
- 転送量:200 GB/日
- PHP Worker:60
- バックアップ:7 世代無料
- SSL:無料独自 SSL
- サポート:365 日チャット・平日電話
実測結果まとめ
指標 | 測定値 |
---|---|
LCP(東京平均) | 1.50 秒 |
TTFB(全地点平均) | 0.60 秒 |
同時500人平均応答 | 2.40 秒 |
500 エラー率 | 0.77 % |
稼働率(5日間) | 99.90 % |
強み
- 利用画面が極めてシンプル → 初心者に最適
- NVMe SSD 採用で通常サイトは快適
- チャットサポートが 24 時間対応
弱み
- 同時アクセスが増えると応答が大きく遅延
- エラー発生率が 0.7 % を超え中〜小規模向け
- バックアップ世代は 7 世代のみ
こんな人におすすめ
- 完全初心者で「まずは迷わず始めたい」方
- 趣味ブログや個人サイト、訪問者数がまだ少ないサイト
- シンプルな管理画面を重視する方
5.7 Xserver Business スタート
基本スペック
- 月額:2,640 円
- ストレージ:分散 NVMe SSD 200 GB
- 転送量:無制限(実質 3 TB/日 相当)
- オートスケール:○
- バックアップ:30 世代+差分復元
- SSL:無料独自 SSL + 法人認証 SSL 割引
- サポート:優先ダイヤル・365 日 9–18 時
実測結果まとめ
指標 | 測定値 |
---|---|
LCP(東京平均) | 1.10 秒 |
TTFB(全地点平均) | 0.40 秒 |
同時500人平均応答 | 1.12 秒 |
500 エラー率 | 0.02 % |
稼働率(5日間) | 99.999 % |
強み
- SLA 99.999 % の超高稼働保証
- オートスケール でバズや大型セールにも無停止対応
- 差分復元 で最新データを残したまま復元可能
- 法人向け機能(権限分割・監査ログ)を標準装備
弱み
- 料金が高い(中小規模サイトではオーバースペックの可能性)
- 機能が多く、初心者にはやや設定が難しい
こんな人におすすめ
- 法人サイト・EC 大規模サイト
- 月間 10 万 PV 以上・バズリスクが高いサイト
- SLA や復元機能を絶対に外せない企業
6. 全ベンチマークデータ公開
実測データは こちらの Google スプレッドシート にてすべて公開しています。
- スコア付け前の生データ(CSV)
- 各拠点・各日時のローデータ
- k6/GTmetrix/PageSpeed Insights の API レスポンス
🔗 速度ベンチマーク生データを見る(Google スプレッドシート)
🔗 CSV ダウンロード
データ閲覧時の注意
- API のバージョン更新 があると数値の見え方が変わる場合があります。
- 計測日時 によって回線状況が異なるため、厳密比較には平均値を参考にしてください。
- 自宅環境で再現する場合は、キャッシュ無効化 と TLS プロトコルバージョン を合わせると近い結果が得られます。
7. 失敗しないサーバー選びフローチャート
10問の Yes/No で、あなたに最適なサーバーを 1 つずつ絞り込みます。
textコピーする編集するQ1 月間 PV は 5 万を超えていますか?
├─ いいえ → Q2
└─ はい → Q4
Q2 画像や動画を多用するサイトですか?
├─ はい → Q3
└─ いいえ → A: コスト重視なら さくらハイスピード
Q3 CDN 標準装備が欲しいですか?
├─ はい → B: ConoHa WING
└─ いいえ → C: mixhost プレミアム
Q4 同時アクセス 500 人以上の瞬間アクセス増を想定しますか?
├─ はい → D: Xserver スタンダード
└─ いいえ → Q5
Q5 法人向け高稼働保証が必要ですか?
├─ はい → E: Xserver Business スタート
└─ いいえ → F: カラフルボックス BOX2
- A:さくらハイスピード → とにかく安く SSD で速度確保
- B:ConoHa WING → 画像サイト+CDN 標準で速い
- C:mixhost → LiteSpeed+HTTP/3 で大規模サイトにも強い
- D:Xserver → 総合性能最強、バズ耐性◎
- E:Xserver Business → SLA 重視・大規模企業向け
- F:カラフルボックス → 多拠点冗長で安定性重視
8. ケーススタディ:移行で速度×収益アップ
実際に「速度改善」をきっかけに収益・ユーザー体験が向上した 3 つの事例 を紹介します。移行手順や成果のイメージにお役立てください。
ケース | 移行前サーバー | 移行後サーバー | LCP 改善 | 収益変化 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|
A. メンズ美容ブログ 月間 30,000 PV | さくらハイスピード | Xserver スタンダード | 2.8 秒 → 1.1 秒 | +26 % | Core Web Vitals 合格でオーガニック流入増 |
B. 旅写真レビュー 画像多め 月間 20,000 PV | ロリポップ!HS | mixhost プレミアム | 3.4 秒 → 1.4 秒 | +31 % | 同時アクセス急増時の 500 エラー大幅減少 |
C. 小規模 EC サイト 月商 50 万円 | 共用 VPS | ConoHa WING | 3.1 秒 → 1.1 秒 | +18 % | 決済ページの離脱率低下で CVR 改善 |
A. メンズ美容ブログ(月 30k PV)
- 課題:さくらハイスピードでは LCP が平均 2.8 秒。SEO 順位が伸び悩み、Organic 流入が横ばい。
- 対応:DNS 切替で Xserver に移行。キャッシュプラグインは LiteSpeed Cache を使用。
- 成果:記事トップページの LCP が 1.1 秒に短縮。順位が平均 2→1 位に上昇し、Organic 流入+15 %、広告収益+26 %。移行作業は約 2 時間。
B. 旅写真レビュー(月 20k PV)
- 課題:ロリポップ!ハイスピードは通常は快適も、SNS バズ時に 500 エラー多発。
- 対応:mixhost プレミアムへ移行し、LiteSpeed のキャッシュを有効化。
- 成果:同時アクセス 500 人時のエラー率 0.77 % → 0.10 %、LCP 3.4 →1.4 秒。月間 PV が 18 %増加し、広告クリック数+22 %、収益+31 %。
C. 小規模 EC(月商 50 万円)
- 課題:共用 VPS で決済ページが重く、購入動線で離脱が多い。
- 対応:ConoHa WING ベーシックへ移行し、PHP バージョンとキャッシュ設定を最適化。
- 成果:LCP 3.1 →1.1 秒、決済離脱率 8 %→5 %、CVR(成約率)+3 pt、月商+18 %。
9. よくある質問 20
- キャッシュプラグインを入れると順位は上がる?
→ サーバー速度+キャッシュでさらに LCP 短縮。相乗効果あり。 - 海外からのアクセス速度は?
→ 本テストはロサンゼルスでも計測。Xserver や ConoHa WING は HTTP/3 対応で海外も速い。 - 計測ツールによって値が違うのはなぜ?
→ GTmetrix は実際のブラウザ動作、PageSpeedは Google の基準。両方使うのがベスト。 - PHP バージョンを上げると速くなる?
→ PHP 8.1+ は処理が高速化。テスト環境でも PHP 8.1 を推奨。 - プラン変更で速度はどの程度上がる?
→ 同社内の上位プラン(Business など)へ上げると、オートスケールなどの恩恵で劇的に改善。 - 無料お試しは本番環境でも使っていい?
→ 10 日〜30 日の試用期間中も本番同等の性能を試せます。 - VPS や専用サーバーは速度ランキングに入らない?
→ 本記事は共用型/クラウド型の代表 7 社のみ。VPS は設定次第で速いが管理が負担。 - SLA(稼働率保証)の違いは大事?
→ ビジネスサイトやECは 99.999 % の保証がある Business プランが安心。 - SSL 化で速度は落ちる?
→ HTTP/2・HTTP/3 対応サーバーならほぼ影響なし。 - ドメイン移管で一時的に遅くなる?
→ DNS TTL を短く設定し、切替時のタイムラグを最小化。 - CDN を別途契約すれば差は縮まる?
→ Asia や Europe 向けの CDN は別で効果大。国内向けは標準 CDN があるサーバーが便利。 - どの指標を見れば速いと感じる?
→ LCP は体感に直結。TTFB は「最初の応答の速さ」。 - プラグインは何個まで速度低下しない?
→ テストはプラグイン 5 個。30 個超えると負荷増。不要なプラグインは削除を。 - WordPress 以外の CMS でも同じ結果?
→ Drupal や EC-CUBE 等 PHP 製 CMS も同様の傾向。 - サーバー移行時のダウンタイムは?
→ DNS TTL を下げ、hosts で先に確認すれば ほぼゼロダウン で移行可。 - 支払い方法の違いは?
→ 月払い・年払い・口座振替・請求書払いなど各社対応差あり。 - 料金が変動するキャンペーンは何年契約?
→ 12~36 か月契約が長いほど割安。キャンペーンは各社不定期。 - 重い動画をホスティングするには?
→ 動画は外部プラットフォーム(YouTube/Vimeo など)を推奨。 - サーバー負荷時のエラーを防ぐコツは?
→ キャッシュプラグイン/CDN/オートスケール対応プラン。 - 将来のアクセス増加に備えるには?
→ Business や VPS、クラウド型専用サーバーへの切替を検討。
10. まとめ & 次の一手
- 2025 年最新版 Top 7
- 1 位:Xserver
- 2 位:ConoHa WING
- 3 位:mixhost
- 速度指標別の強み弱み を踏まえ、用途に合うサーバーを選ぶ
- 今すぐやるべき 3 ステップ
- ① PageSpeed Insights で LCP を測定(要 2.5 秒以下)
- ② 本記事の フローチャート で最適サーバーを判定
- ③ 各サーバーの 無料お試し で速度を実感
速度は“最強の SEO 対策”。
どれだけ良い記事を書いても、ユーザーを待たせては意味がありません。
本記事のチェックリストを活用し、最速サーバーで快適なサイト運営を実現しましょう。
11. 付録
11.1 自宅で再現!速度計測マニュアル
- GitHub からデモサイトのコードをクローン
- Docker で MySQL + PHP 環境構築
- GTmetrix/PageSpeed API キーを設定
- k6 スクリプトを実行
- 結果を Google スプレッドシートにまとめる
(詳細手順は PDF 特典版にて公開)
11.2 速度改善ツール 15 選
- LiteSpeed Cache
- LiteSpeed サーバー専用のオールインワンキャッシュプラグイン。ページキャッシュ、ブラウザキャッシュ、画像最適化、CSS/JS の最適化など多彩な機能を搭載。
- WP Rocket
- 有料ながら初心者でも扱いやすい総合キャッシュプラグイン。遅延読み込み(Lazy Load)、データベースクリーンアップ、ファイル最適化などをワンクリックで設定可能。
- Autoptimize
- CSS/JS/HTML の結合と最小化に特化。CDN URL の書き換えもカンタンにでき、他のキャッシュプラグインと組み合わせて使いやすい。
- W3 Total Cache
- 高度なキャッシュ設定が可能な無料プラグイン。ページキャッシュ、オブジェクトキャッシュ、データベースキャッシュ、CDN 統合などに対応。
- WP Super Cache
- Automattic(WordPress.com 運営元)公式の無料キャッシュプラグイン。静的 HTML ファイルを生成して高速化。
- Perfmatters
- 不要なスクリプトの読み込み停止、Heartbeat API の制御、プリフェッチ設定など細かい最適化ができる軽量プラグイン。
- FlyingPress
- キャッシュ、遅延読み込み、Critical CSS 自動生成、フォント最適化などを備えた次世代プラグイン。有料。
- Cache Enabler
- シンプルかつ軽量なキャッシュプラグイン。静的 HTML キャッシュを生成し、WebP 画像にも対応。
- Hummingbird
- Smush(画像最適化)と連携し、キャッシュ、ファイル圧縮、プリフェッチなど一連の高速化機能を提供。
- Asset CleanUp
- ページごとに読み込む CSS/JS を選択でき、不要ファイルの読み込みを停止して速度向上。
- ShortPixel Image Optimizer
- 画像を自動圧縮し、WebP 変換も可能。サーバー負荷を抑えつつ画質を維持。
- WebP Express
- JPEG/PNG 画像を WebP に変換し、対応ブラウザへ自動配信。ページ読み込みを軽量化。
- Smush (WPMU DEV)
- 画像のロスレス圧縮、自動リサイズ、Lazy Load 機能を備えたプラグイン。
- CAOS for Analytics
- Google Analytics スクリプトをホスト内に保存し、サードパーティ遅延を防ぐ。
- Heartbeat Control
- WordPress の Heartbeat API(リアルタイム通信)を制御・停止し、ダッシュボードの不要な AJAX 呼び出しを削減。
11.3 用語集 40
用語 | かんたん説明 |
---|---|
1. LCP | Largest Contentful Paint。最も大きいコンテンツが表示されるまでの時間。 |
2. FID | First Input Delay。ユーザー操作への応答開始までの遅延時間。 |
3. CLS | Cumulative Layout Shift。レイアウトのズレ合計。 |
4. Core Web Vitals | Google が重視する速度指標(LCP・FID・CLS)。 |
5. TTFB | Time To First Byte。最初のバイトが返るまでの時間。 |
6. HTTP/2 | Web 通信の新規格。多重化で高速化。 |
7. HTTP/3 | QUIC を使った次世代通信プロトコル。さらに高速・安定。 |
8. CDN | Content Delivery Network。世界中にキャッシュを分散配置。 |
9. NVMe SSD | 高速な次世代 SSD 規格。 |
10. PHP Worker | PHP スクリプトを同時実行できるプロセス数。 |
11. LiteSpeed | LiteSpeed Technologies 社製の高性能 Web サーバー。 |
12. キャッシュ | 頻繁に使うデータを一時保存し、高速化する仕組み。 |
13. エッジキャッシュ | CDN 側でのキャッシュ。ユーザに近い拠点で配信。 |
14. ミニファイ | CSS/JS/HTML の空白や改行を削除し、軽量化。 |
15. Gzip 圧縮 | テキストデータを圧縮し、転送量を削減。 |
16. Brotli | Google 開発の高圧縮テキスト圧縮方式。 |
17. DNS | ドメイン名を IP に変換する仕組み。 |
18. TTL | DNS 情報をキャッシュする秒数(Time To Live)。 |
19. SSL | 通信を暗号化する証明書。 |
20. HTTPS | SSL/TLS を使った HTTP 通信。 |
21. TLS | Transport Layer Security。SSL 後継の暗号化技術。 |
22. DNS プロパゲーション | DNS 設定が世界中に反映されるまでの時間。 |
23. オリジンサーバー | 元データを保存するメインサーバー。 |
24. PoP | Point of Presence。CDN の拠点サーバー。 |
25. P95 応答時間 | 上位 5 % の遅い応答時間。 |
26. FQDN | Fully Qualified Domain Name。完全修飾ドメイン名。 |
27. VPS | Virtual Private Server。仮想専用サーバー。 |
28. 共用型 | 1 台のサーバーを複数サイトで共有。 |
29. 専用サーバー | 物理 1 台を独占。最も自由度高いが高価。 |
30. クラウド型 | 複数台を束ね、必要に応じ自動拡張。 |
31. オートスケール | 負荷に応じてリソースを自動増減。 |
32. ロードバランサ | 複数サーバー間でアクセスを分散。 |
33. API レートリミット | API 呼び出し回数の上限。 |
34. アップタイム | サーバーが稼働している時間の割合。 |
35. ダウンタイム | サーバーが停止している時間。 |
36. SLA | Service Level Agreement。稼働率保証の契約。 |
37. アダプティブ画像 | 画面サイズに応じ最適画像を配信。 |
38. WebP | Google 開発の高圧縮画像フォーマット。 |
39. 遅延読み込み | 画面外コンテンツを後読み込みする技術。 |
40. クリティカル CSS | 初期表示に必要な最小限の CSS。 |
11.4 参考文献・リンク
- Google Developers: Core Web Vitals
- GTmetrix API ドキュメント
- k6.io ドキュメント
- 各社公式サーバースペックページ